スウェーデンでは外国の優れた技術を取り入れるため、スウェーデンで働く外国籍保有者で専門的な知識を持つ労働者向けに所得税の減税政策が行われています。
税金が高いというスウェーデンでの所得税減税制度は大変ありがたく、私も現在その制度の適用を受けています。
一方、この減税制度に関する日本語での情報がほとんどなかったので、申請から許可までの手順、実際に減税でどれくらいの恩恵を受けているのか私の実体験をもとに解説していきます。
外国人労働者向けの所得税の減税とは
スウェーデンでは、スウェーデン国内において専門的なスキルや能力を持つ人材の需要を高め、労働市場を活性化させることを目的に企業で雇用されている外国人労働者に対する所得税の減税策が行われています。
この減税は外国人なら誰でも適用されるわけではなく、Forskarskattenämndenという研究税務委員会による審査を受け、委員会からの承認を得る必要があります(審査については後述)。
専門家減税の対象はスウェーデンで働く外国籍保有者であることに加え、特定の職業や専門分野に従事し、主には高度なスキルや能力を持つエンジニアが該当します。
減税額はいくらになる?
減税額はちょっと複雑で、収入の25%が課税から免除されることになります。つまり、残りの75%の収入が課税対象となります。
収入とは残業代を含む給料と福利厚生、その他の報酬となっており、年2回の家族と本人の一時帰国費用や小中学校などの子供の教育費も減税の対象になります。
例えば、月の収入がSEK100,000とすると、課税対象となる所得がSEK75,000として計算されることになります。
減税期間はどれくらい?
この制度が始まった当初の減税期間は3年間でしたが、それが5年に延長された後、現在はなんと7年間になっています。
同じ会社に勤め続ける限り給料が上がっても昇進してもこの減税を受けられることになっているため、減税の申請が通ればめちゃくちゃお得な制度になっています。
具体的な減税対象者は?
まず、減税の対象になる5条件があります。
・スウェーデン国民でない。
・スウェーデンで勤務する前の過去5暦年にスウェーデンに永住または居住していない。
・申請時に従業員が7年以上スウェーデン住む意思がない。
・雇用主はスウェーデンに住所を有するかスウェーデンに恒久的施設を有する外国企業である。
・スウェーデンで就労を開始してから3ヶ月以内に申請が受理されている。
これら5つの条件を満たしたうえで、以下の2つのカテゴリから減税の申請を進めることになります。
一つは国が定める報酬額を超えている場合に申請すれば審査無しで減税が認められるカテゴリ、もう一つは申請者の教育や職務レベル、経験に応じて税額控除が受けられるカテゴリです。
後者のカテゴリではForskarskattenämnden(研究税務委員会)による審査が行われます。
一定の報酬レベルを超えている場合
月間総報酬がスウェーデン政府が定めた基準額の2倍を超える場合、報酬レベルに基づく税額控除が申請をすれば審査無しで適用されます。
具体的には、2024年の基準額がSEK57,300なのでSEK114,601以上の報酬であれば審査無しで25%の減税をゲットすることができます。
報酬レベルで定められている減税をゲットするには、日本円で月収150万円を超える給料なので、なかなかハードルが高いかもしれないです。
経験やスキルに基づく減税の場合
月額総報酬での減税が受けられない場合、経験やスキルに基づく減税の対象になります。これは、これまでの学術的な実績や職務経歴、職務実績をまとめて国に減税を申請し審査を受けて減税を得る必要があります。私はこちらの制度で減税をゲットすることができました。
噂によると、2024年現在では承認のハードルが結構上がっているらしいです。一部では右派政権の影響もあるとかないとか…
審査の基準は公開されていませんが、減税の申請を受け付けているForskarskattenämndenによると、スウェーデン国内での採用が非常に困難な高い専門性や特殊な志向を必要とする仕事に従事する者と記載されています。
ちなみに、申請して認められなかった場合でも審査不服の申立を行うこともでき、私の周りでは不服申し立てが認められて減税をゲットできた人もいました。
減税申請について
ここでは私が実際に申請して減税が認められた、専門的な知識や経験を有する者のカテゴリでの減税申請について書いていきます。
私の場合、申請書の作成や申請は全て会社が行ってくれましたが、その申請書に記載する推薦文や申請の根拠になる書類は全て私が揃えました。
私は博士号を持っていない修士卒なので、学歴では戦えないため、これまでの職歴で勝負することにしました。
具体的な内容は書けませんが、これまでの仕事で担っていた立場、成し遂げたこと、どれだけ今の会社が行っている事業の分野に貢献してきたかを記載しました。
なかなか定量的に示すことが難しいので、名前が載っている特許や論文をかき集め、如何に自分がスウェーデン経済と会社の発展にとって貢献できる人物か、そしてスウェーデン国内では採用が極めて困難であることを説明するように工夫しました。
申請書を読んで審査する人物がどんな人かも分からなかったため、会社が行っている事業がスウェーデンや世界に取って如何に重要か、そしてその事業に私がどのように関わることでこれまでの知識や経験を活かせるか、なるべく簡単に分かりやすく説明するように工夫しました。
申請に必要な推薦文のエビデンスを集めて申請文を自分で書いて会社に提出すると、特に添削もなく申請が進みました。
申請が通れば7年間で結構な額の減税が行われることになるので、添削でもあるのかなと思ったらそのまま申請されたため、不安な人は会社に添削をお願いしたほうが良いかもしれません笑
減税の決定
減税の申請に必要な書類を会社に提出してから約5ヶ月、国の機関から無事に減税の決定通知をもらうことができました。
年間少なくともSEK100,000超え、今後の昇給や昇進を加味すると7年間でSEK1,000,000近い減税をゲットすることができました。日本円にすると1500万円くらいになります。
正直、この減税があるから転職を決めた面もあるので減税が決まって本当に良かったです。
ちなみに、この申請はスウェーデンで就労を開始してから3ヶ月以内に行う必要があるので、会社側のレスポンスが遅かったらどんどんリマインドしてサクサク進めてもらうように促すようにしましょう!

